【提唱】熊本日日新聞社【特別協力】熊本県、熊本市、環境省九州地方環境事務所、国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所 【企画・制作】熊本日日新聞社 業務推進局
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 8月もすぐそこ。熊本でも、いよいよ本格的な夏に突入です! とはいえ暑いからとエアコンをガンガンかけたのでは、エコではありません。そこで、近年見直されているのが、昔ながらの「打ち水」による冷却効果。実際に、どれほどの効果があるのか、エコ通スタッフが地味〜に実験してみました。



夏の暑さを和らげる庶民の知恵は、現代にも通用するのか!?
 「打ち水」は、江戸時代ごろから行われていたといわれています。当時は、水をまくことで夏の暑さを和らげるだけでなく、道路の土ぼこりを抑えたり、お清めのためといった目的もあったようです。
 その後、日本の近代化とともに打ち水の習慣は徐々に失われていきました。しかし最近になり、イベントなどで大掛かりな打ち水を行ったりするのが話題になり、エコな避暑法の一つとして再び注目を浴びています。
 それに伴い、ちまたには打ち水に関するさまざまな情報も流布しています。「水をまく時間帯は? 量は?」など、効果的に打ち水を行う上で気になるポイントを、理系にからっきし弱いエコ通の実験担当スタッフ・通称「エコ通団」がゆる〜く検証。果たして、正しい打ち水のやり方≠ヘ導き出せるのか!?





打ち水は、地面にまいた水が蒸発する際の気化熱*1の効果を利用して涼を得る方法ですが、たくさん水をまいた方が気温も下がるのでしょうか?

検証方法
1メートル四方に区切ったコンクリートに、Aには2リットル、Bには6リットルの水をまいて、1時間ごとに気温の変化を計測する

テープで1m四方を囲って打ち水開始!



*1 液体が気体になるときに、周囲から吸収する熱のこと。打ち水をすると、
水が蒸発するときに周囲の熱を吸収するので気温が下がって涼しく感じる。

考察
 気化熱は水の量が多いほど周りの熱を奪うので、すぐに乾いてしまう2リットルよりも6リットルまいた場合が温度上昇は緩やかでした。ただし、気化できないほど水浸しにしても効果は上がりません。それよりも、1〜2時間おきにこまめにまいて地面を湿らせれば、効果も持続し節水にもつながりますよ。







皆さんは、打ち水をするときに、何時ごろ水をまきますか? まく時間帯(朝・夕方)によって、その後の涼しさがどのように違うのかを調べてみました。

検証方法
【1】朝7時と【2】夕方5時それぞれで、1メートル四方に区切ったコンクリートに水6リットルをまき、1時間ごとに気温の変化を計測する

気温は地面から約50cmの高さで計測



*※( )内は最初に測定した気温からの温度差

考察
 午前中の方が周囲の気温が高い分、気化熱の効果も高く、水をまいていない場所との温度差は大きいという結果に。夕方は、まいていない場所との温度差こそ小さいもの、6時の時点で(まいた場所は)8〜9時並みの気温になっているので、日中の暑さをひきずらずに快適に過ごすには効果的といえます。







打ち水というと一戸建て住宅の玄関先や店の前の道路にまくというのが一般的なイメージですが、アパートやマンションのベランダでも効果が得られるのか気になりますよね。

検証方法
マンションのベランダに水をまいた日とそうでない日で、室内(ベランダに面した窓の近く)の気温を計測する

自宅ベランダに水をまくエコ通団1号




考察
 今回は、水をまいた後に窓を開けて室内の温度を計測。まいた日とまいていない日で気温の変化がさほどなく、数字上での効果は見られませんでした。ただ、まいた日はなぜか湿度が下がり、同じ気温でも不快感が少ない分、涼しく感じました。





 ●たっぷり湿らせると効果も持続!
 ●朝まいた方が、気温を下げる効果大!
 ●ベランダでの効果は…工夫の余地あり!?


今回の検証実験の結果が役に立っても立たなくても、ぜひ皆さんも熊本の夏を乗り切る手段の一つとして、打ち水を試してみてください。もちろん、風呂の残り湯を使うなど節水の工夫もね。




 エコや環境に関するデータをピックアップし、そのデータから見えてくる熊本や日本、果ては地球のあした≠ちょっと斜めから考察する、そこそこ真面目なコーナーです。

今月のお題 都道府県庁所在地および政令指定都市*2のミネラルウオーター消費額



出典/総務省「家計調査」(2人以上の世帯の1世帯当たりの年間支出金額・2012〜14年平均)
*2 2007年4月1日現在で政令指定都市であった都道府県庁所在市以外の都市


豊かでおいしい水のおかげでわざわざ水を買う必要なし!?
自然豊かな熊本県。中でも、熊本市は豊富な地下水の恩恵を受け、水道水を100%地下水で賄っている、全国でも珍しい都市です。その水の量や質を管理する取り組みは国際的にも高い評価を受け、2013年に「国連生命の水″ナ優秀賞(水管理部門)」を受賞したほど。
 ということで、水道の蛇口をひねればミネラルウオーターが出てくるようなものですから、当然、「わざわざ買って水を飲む」人も少ないわけで…。全国51都市を対象にした調査でも、下から4番目の48位と堂々(?)の下位低迷、政令指定都市では最下位という世界に誇る地下水都市にふさわしい結果になっています。飲料水メーカーの皆さん、熊本ではミネラルウオーターが売れずにすみません!
 ただ、あまりに水が豊富でつい使いすぎてしまうのか、熊本市の生活用の水使用量は平成26年度で1人1日当たり約224リットル(九州の主な都市の平均は218リットル)と、福岡市など他の九州の都市と比べても多いのが現状です。いつまでも水道水をそのまま飲める都市であり続けるためにも、まずは身近な節水から!



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