【提唱】熊本日日新聞社【特別協力】熊本県、熊本市、環境省九州地方環境事務所、国土交通省九州地方整備局熊本河川国道事務所 【企画・制作】熊本日日新聞社 業務推進局
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 本年度の「くまもとエコモーションキャンペーン」では、「エコ動(do)!」のテーマで、県内のエコや環境に関する取り組み・イベントと、それに関わる人々を紹介してきました。しかし、“動く”ためにはエコに関する知識や理解を深めることも大切! そこで最終回の今回は、おすすめの「エコ図書」を紹介します。実際に行動に移す一歩手前の「考える」きっかけにしてください。




「考え方」「捉え方」を変えるきっかけに



▲左から「いちばん大事なこと―養老教授の環境論」(養老孟司著)、
エコ論争の真贋(藤倉良著)、ニッポン景観論(アレックス・カー著)
 本年度の「エコモーションキャンペーン」では、さまざまな企業、団体、グループによる取り組みなどを紹介してきました。
【1】親子で自然に触れる機会を提供する「立田山自然探検隊」
【2】白川流域の清掃に取り組む「白川流域リバーネットワーク」
【3】エコドライブを推奨する「NPO法人くまもと温暖化対策センター」
【4】阿蘇の草原保全に取り組む「公益財団法人阿蘇グリーンストック」
【5】藻を使った次世代エネルギーの研究を行っている「デンソー」
【6】校内の水環境保全に取り組む「県立南稜高校」
【7】大学周辺のごみ出しマナー改善を目指す「熊本大学紫熊祭実行委員会・環境部」
 7月から毎月紹介したこれらの中でも、取り組むジャンルや活動に携わる人たちの世代も実に多様でした。
 とはいえ、誰もが思い立ったらすぐに行動に移せるわけではありません。「何から始めればいいの?」という人も少なくないでしょう。そんなときは、エコや環境をテーマにした本を読んでみては。本を通して多くの知識が得られるだけでなく、エコに対する自分なりの「考え方」や「捉え方」を身に付けるきっかけにも。「動く」のは読んでからでも遅くはありませんよ!
「自分なり」を探し、さまざまな見方・考え方に触れよう

■いちばん大事なこと―養老教授の環境論
養老孟司/集英社新書
 ベストセラーとなった「バカの壁」の著者であり、新聞やテレビでもおなじみの解剖学者・養老孟司氏。氏は自然環境を、さまざまな生物が影響しあって動く大きな“システム”と捉えています。システムの構成要素である動植物を保護することはもちろん大切ですが、それ以上に、「その種が絶滅すると、自然環境というシステムにどのような影響が出るか」を考える、つまり「部分」より「全体」を見ることの重要性を説いています。
 環境が専門ではない氏の本ですから、「こうしなければならない」と結論づけてはいません。しかし氏は、現状を変えるには一人一人の取り組みに加え、社会のシステムを変えることが必要だと言います。例えば、「都市部に暮らしている人は、1年のうち3カ月は田舎暮らしをするよう、政府が主導してシステム化する」というアイデアも披露しています。

■エコ論争の真贋
藤倉良/新潮新書
 近年、エコに対する意識の高まりを受けて、私たちは「ごみは分別やリサイクルしないとダメ」「地球温暖化につながる二酸化炭素の排出を減らさないと」などと当たり前のように考えています。しかし、本当にそうなのでしょうか?
 ちまたにはさまざまなエコや環境に関する情報・見解があふれています。その中には、「ごみは分別するより、全部燃やした方がエコ」「地球は温暖化していない」など、一般的な考えとは正反対のものもあり、戸惑うことも。本書では、そんな「本当は、どっちなの?」という疑問に一つ一つ答えてくれます。もちろん、著者が出した答えが100パーセント正しいわけではありませんが、エコに取り組む際に重要な「自分で考えて動く」ためのヒントが詰まっています。

■ニッポン景観論
アレックス・カー/集英社新書ビジュアル版
 エコや環境を考えるときに大切な視点の一つが、「変化や違いに気付くこと」ではないでしょうか。「今までより、ごみが増えた?」「川の水が濁ってきた?」など身近なものの、「以前と今」や「いい状態と悪い状態」の変化に敏感になることが、“自分にできること”を見つけるのにも役立ちます。
 本書では、1977年から日本に住む東洋文化研究者アレックス・カー氏(米国)が、自ら見た日本の景観を論じています。寺院などの伝統的な建物の周りが商業看板だらけだったり、里山を流れる渓流の両岸がコンクリートで固められていたり…。
 景観もその場所や街を演出する一つの“環境”と考えると、そのような光景は単に「見栄えが悪い」だけでなく、「眺め(環境)を壊している」とも言えます。当たり前の光景の中にある「なぜ、どうして」に気付く視点は、きっとエコについて考える上でも参考になるはずです。

◆  ◆  ◆

 気になる本はありましたか?多様な考えに触れることは、自分の行動の幅を広げることにもつながります。まずは一冊、手に取ってみませんか。




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環境問題への関心高めるため 県内77高校へ関連図書贈る
県内高校に「エコ図書」を寄贈
 「くまもとエコモーションキャンペーン」事務局は、将来を担う高校生に環境問題についての関心を高めてもらうため、分校を含む県内の公私立高校77校に、環境問題に関連する図書を寄贈しました。
 「エコ図書」の寄贈は、同キャンペーンがスタートした2004年度から毎年実施しているもので、今回贈ったのは「気候変動で読む地球史」(水野一晴著)、「ルポ にっぽんのごみ」(杉本裕明著)、「21世紀の君たちへ ガラスの地球を救え」(手塚治虫著)、「『環境を守る』とはどういうことか」(尾関周二・環境思想・教育研究会編)の4冊。15日の贈呈式は熊本市中央区の済々黌高校で行われ、77校を代表して県公立高校長会の川上修治会長(同校校長)が目録と本を受け取りました。
 川上会長は「熊本は豊富な地下水をはじめ環境に恵まれている一方、水俣病問題などの環境課題も抱えている。世界的視野を持って発信できる生徒を育てたい」と謝辞を述べました。
 「エコ図書」は、熊日販売店を通じて各高校に届けられます。

今年寄贈される「エコ図書」を紹介!

温暖化で地球は、どう変わるのか?
気候変動で読む地球史
水野一晴著/NHKブックス

 気候変動のたびに、その姿を大きく変えてきた地球。果たして、現在進行している温暖化は、地球をどう変えるのか? そのヒントをアフリカの自然と植生から解説する。


ごみの「その後」を追いかけて海外まで
ルポ にっぽんのごみ
杉本裕明著/岩波新書

 年間約4億2000万トンといわれる日本のごみ。しかし、その「行方」はあまり知られていない。最先端のリサイクル施設や海外へ渡った中古品など、ごみの「その後」を紹介する。


天才漫画家から未来へのメッセージ
ガラスの地球を救え 21世紀の君たちへ
手塚治虫著/光文社知恵の森文庫

 「鉄腕アトム」などで知られる漫画家、故・手塚治虫氏の「地球を死の惑星にしないために、地球上のすべての生物との共存を」とのメッセージが込められた一冊。


環境問題を考える入門書的一冊
「環境を守る」とはどういうことか
尾関周二ほか編/岩波ブックレット

 1980年代以降、細分化を続けてきた「環境学」。もう一度、「環境を守るとは?」という根本に立ち返る必要性を説く筆者が、カブトムシ、クジラ、原発などから環境思想を語る。






教えてください!
あなたの周りのエコな人やグループ
採用者には2000円分のQUO(クオ)カードを進呈!
 私は去年から通勤を自動車から徒歩に変えました。そのため、ガソリンを入れる回数も減り、COも削減。さらに、体重も減っていいことずくめです。
(東区/しぶき)
 料理の時、余熱調理をやっています。沸騰したら火を止め、鍋ごとタオルでくるんで“鍋帽子”に入れます。煮崩れすることも、煮詰まることもなく、味が染みておいしいです。そのままで、8時間経ってもほんわり温か!その間、電気代もガス代もゼロです。
(北区/ぐっちゃん)
 うちでは、水を入れた2リットルのペットボトルを5本ほど浴槽に入れています。少ないお湯で温まれて水道代や給湯費の節約になる上、お湯はりの時短にもなります。ペットボトル内の水も、数日経ったら洗濯やトイレに使ってます。
(中央区/エコ大好き)
 自宅の庭で、家庭菜園をしています。畑で採った野菜の切りくずや調理後の野菜くずは庭に埋めています。肥料にもなり、4人暮らしでも有料ごみ袋は、いつも一番小さいサイズで済んでいます。
(南区/トマト)




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