くまにちコム



  2014年11月26日掲載





 2011年の東日本大震災後の電力不足を機に、それまで以上に節電への関心と必要性が高まりました。「ムダな電力使用を控える」「省エネ家電に買い替える」など、できることから実践している人も多いでしょう。熊本県立大学(熊本市)では、LED照明への切り替えや太陽光発電施設の設置を行う一方、学生が開発したスマートフォン用アプリが、節電意識の向上に一役買っています。


学生ならではの発想で
構内の電力量を「見える化」
 さまざまな節電の取り組みを行っている県立大。その一つが、学内の「電力見える化」です。大学構内には、電力使用量のデータを収集するセンサーが約300カ所に設置されています。このデータを利用し分かりやすく見せることで、学生や大学関係者、一般の人々にも節電への関心を高めてもらおうというものです。
 大学側からの依頼を受けて開発に当たったのは、同大総合管理学部・飯村伊智郎教授の研究室(ゼミ)の学生たち。飯村ゼミには有志の学生で活動する「アプリ開発部」があり、同部に所属する14人が半年近い試行錯誤の末に完成させたのが、構内の電力量を把握できるスマートフォン用のアプリ「e‐PUK(イープク)」です。
 アプリは7月中旬から公開されており、アンドロイド版、iOS版それぞれがダウンロードできます。画面には構内のイラストマップが表示され、各学部や図書館などエリアごとの1時間当たりの電力量や学生一人当たりの電気代が一目で分かります。
 また、「でんりょくん」というキャラクターを使い前週の同じ曜日との比較も行われていて、前週比で120%を超えると「でんりょくん」が赤い顔で激怒! 前週と同程度の場合は顔が黄色になり、下回るとニッコリ笑顔で緑色になります。
 さまざまな節電の取り組みを行っている県立大。その一つが、学内の「電力見える化」です。大学構内には、電力使用量のデータを収集するセンサーが約300カ所に設置されています。このデータを利用し分かりやすく見せることで、学生や大学関係者、一般の人々にも節電への関心を高めてもらおうというものです。
 大学側からの依頼を受けて開発に当たったのは、同大総合管理学部・飯村伊智郎教授の研究室(ゼミ)の学生たち。飯村ゼミには有志の学生で活動する「アプリ開発部」があり、同部に所属する14人が半年近い試行錯誤の末に完成させたのが、構内の電力量を把握できるスマートフォン用のアプリ「e‐PUK(イープク)」です。
 アプリは7月中旬から公開されており、アンドロイド版、iOS版それぞれがダウンロードできます。画面には構内のイラストマップが表示され、各学部や図書館などエリアごとの1時間当たりの電力量や学生一人当たりの電気代が一目で分かります。
 また、「でんりょくん」というキャラクターを使い前週の同じ曜日との比較も行われていて、前週比で120%を超えると「でんりょくん」が赤い顔で激怒! 前週と同程度の場合は顔が黄色になり、下回るとニッコリ笑顔で緑色になります。

 ▲スマートフォンに表示された「e−PUK」の画面。エリアごとの電力量によって異なる「でんりょくん」が登場。表情が何ともユーモラス

▲デザインにもこだわり、担当の学生と何度もやり取り
▲「e−PUK」は県立大のホームページでも見られます



アプリ開発に携わり
学生のエコ意識にも変化
 開発のリーダーを務めた総合管理学部4年の切通優希さんは、「単に数字やグラフで電力量が分かるだけでは、アプリに関心を持ってもらえないと思い、キャラクターを登場させたり、金額に換算しました」と工夫した点を話します。アプリは依頼した大学側の評価が高いだけでなく、構内各所に設置された電子看板にウェブ版の画面が表示されていると、足を止める学生も少なくありません。
 また、今回のアプリ開発に携わったことで、彼ら自身の節電やエコに対する意識にも変化を与えたようです。例えばパソコンは、使用せずに一定時間が経過すると「スリープ」と呼ばれる省電力モードになりますが、切通さんは「以前よりスリープになるまでの時間を短くして待機電力を減らすようにしました」。
 他の学生も、「構内ではエレベーターを使わなくなった」「家でこまめに電気を消すようになった」など、一人一人が自分にできることから節電に取り組んでいるようです。
 ちなみに、現在のアプリのダウンロード数はおよそ90。電力量は少ないに越したことはありませんが、こちらはまだまだ増やす必要がありそうです。学生の柔軟な発想が生んだユニークなアプリ。皆さんも試しに見てみませんか?


▲飯村教授とアプリ開発部の学生たち。 左から3番目がリーダーの切通さん
▲「学生たちにとってよい経験になった」と話す飯村教授

■熊本県立大学・飯村研究室 http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~ilab/
■ウェブ版「e−PUK」 http://www.pu-kumamoto.ac.jp/~iimulab/power/









 ことし9月に発表された平成26年度の「熊本市ものづくり大賞」。認定を受けた5つの製品の中には、「エコ、省エネ」に貢献するものが目立ちます。その一つ、ワンタッチ開閉ごみステーション「クーくん」は、ごみ収集場所の美化や鳥獣害の防止に役立っています。

 皆さんの町内のごみ収集場所では、回収日にごみ袋が歩道や車道をふさいでいたり、カラスやネコに袋を破られて中身が散乱していたりしませんか?
 通信機器の開発・製造や修理を主な事業としている九州電機工業株式会社が、新たなビジネスチャンスを求めて作った「クーくん」は、そんな悩みを抱える県内の自治会から注目を集めています。

 ▲黒髪校区5町内に設置されている「クーくん」。上にかぶせられたネットをめくってごみを入れます


設置した校区でも
効果を実感
 社内の鉄工所で製品化した「クーくん」は、標準サイズで高さ100センチ、奥行き45センチ、長さ143センチ。折り畳み止め具を掛けると10センチほどの薄さになる上、約5キロと軽量で、中高年でも楽に持ち運べます。街の景観を損わないのも特徴です。
 1年前から町内のごみ収集場所に設置している中央区の黒髪校区5町内自治会の吉野功副会長は「以前のようにネコに袋を破られなくなりました。収集場所の清掃も楽になり助かります」と、設置の効果を実感しています。
 加えて、底板を付けず、ネットをめくれば下からもごみが取り出せるなど、回収作業にも配慮されています。近い将来、あなたが住む町のごみ収集場所に設置されているかもしれませんね。

 ▲折り畳むと、こんなに薄く!
土台は取り外しができるので持ち運びも楽

■九州電機工業株式会社ホームページ
http://www.kyushu-denki.co.jp/




 
 
 日本に居ては分からない各国のエコ事情を、海外在住経験者や在住中の人の“生の声”でお伝えします。
筆者/テンモー
県南在住の主婦で、夫と中学生の子ども2人の4人暮らし。夫の仕事でタイに3年間在住の経験あり。
月と来月の2回は、私がタイ在住時代に見聞した現地のエコ事情について書きたいと思います。「所変われば…」の言葉通り、ゴミや環境に関する考え方も、日本とタイでは大違い ! もちろん、どちらが正解とは言えませんが、“日本流”に慣れている者にとっては驚かされることもしばしば…。
 例えば、タイのデパートやショッピングモールは、しばらく居ると寒く感じるぐらいキンキンに冷えています。省エネやエコとは正反対ですが、家に人を招くときなども部屋にクーラーを効かせておくのがタイ流のおもてなしらしいのです。
 また、ゴミも日本のような分別回収はほとんど行われていません。ただ、日本人の多く住むアパートなどでは、清掃員がゴミの収集をしてくれます。もちろん分別などありませんが、ゴミの中にはペットボトル、新聞紙、ダンボールなど、売ればお金になるものもあり、清掃員の小遣い稼ぎになっています。一般のゴミも同じで、夜な夜なゴミ袋を開けてお金になるものがないかと探している人たちがいます。タイではこうして、図らずもある程度の分別が行われているわけです。
 ちなみに、タイの日本人会主催の講演会で、ゴミを焼却処分するのは、世界でも日本ぐらいだと聞き、驚きました。ゴミを燃やした際に発生するダイオキシンなどの問題もあり、諸外国では埋め立てが一般的なのだとか。皆さん、知ってました?




 『ディープ・ブルー』『アース』で知られる英国BBC EARTHが、初めて3Dカメラで撮影に挑んだネイチャードキュメンタリー。ハリウッドの画期的な撮影技術で大自然の神秘と、生命のエネルギーに満ちた営みを映し出します。家族や大切な人と一緒に、大自然の中に放り出されるような体験ができるかも!



 東洋文化研究家で日本文化にも精通している著者が、美しい日本の景観を脅かす人工物に警鐘を鳴らす一冊。写真たっぷり、かつ皮肉たっぷりに紹介される事例の数々に、この国に住む一人として恥ずかしさを感じずにはいられません。次世代へ残したい日本の風景、世界に知ってほしいニッポンの姿、考えてみませんか?
次回は12月17日(水)に掲載予定です。


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