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リサイクル |
埋め立てるか、燃やすか―。ごみがごみでしかなかった時代の選択肢は2つしかありませんでした。しかし今では、「ごみの山には“資源”が埋もれている」という考え方が浸透してきています。その原動力となっているのが、日々進歩するリサイクル技術。でも、わたしたちはそれらの資源を十分に生かし切っているでしょうか。リサイクルの現場を見学し、家庭で取り組めることを考えました。 |
廃棄物を再資源化 |
熊本市植木町の山鹿植木広域行政事務組合・リサイクルプラザを訪ね、リサイクルの現場を見ました。同施設では、山鹿市と熊本市植木町で集められる不燃・粗大ごみ、瓶・缶類、ペットボトル、その他プラスチック、白色トレー、紙パック、古紙などの資源ごみを処理しています。これらはトラックで次々と運び込まれ、最新の自動化ラインで破砕、選別、圧縮されたり、手作業で仕分けされたりして、新たな資源に生まれ変わるための準備が施されます。
昨年度の搬入量は3081トン。稼働を始めた2003年度の約1・7倍に増えました。リサイクル施設で資源ごみの処理量が増えるほど、焼却や埋め立ての量が減ることになるわけですが、食品トレーや「プラマーク」の付いたインスタントラーメンの中に入っている小袋、菓子類などの個包装は、資源ごみなのに可燃物として捨てられるケースがまだまだ多いそうです。これらは分別洗浄して出さなければ資源ごみにはなりません。家庭でのひと手間が、資源として再生できるか、ごみとして燃やされるかの分かれ道となります。 |
白色トレー、紙類は・・・ |
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一時保管される白色トレー、紙パック、段ボール、新聞・雑誌などは、家庭から出されたままの状態で業者に引き取られます。わたしたちの貢献度が最も試されます。 |
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リサイクル施設の仕組み
〈取材協力/山鹿植木広域行政事務組合・リサイクルプラザ〉
【1】資源ごみの搬入
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受け入れて種類分け/「その他資源物」は貯留場行き
リサイクルプラザに運び込まれる資源ごみは、種類ごとに専用のラインに投入されます。処理用の自動化ラインは「不燃・粗大ごみ」「かん類」「びん類」「ペットボトル/その他プラスチック」の4つ。このうち不燃・粗大ごみは、自動化ラインでは回収できない家電類の基板やモーター、コード、ステンレス、真ちゅうなど(写真右上)を手作業で選別します。また、びん類のリターナブル瓶は保管し、プラスチック類の白色トレーは袋詰めされます。紙パック、段ボール、新聞・雑誌などの「その他資源物」は貯留場に直行します。 |
【2】ライン・選別
上から茶びん、透明びん↑ |
不燃・粗大ごみは破砕びん類は色ごとに
不燃・粗大ごみは破砕機で細かく砕き、鉄を回収した後、不燃物と可燃物に分けられます。かん類はスチール缶、アルミ缶に選別。びん類はコンベヤーに運ばれ、手作業で茶、透明、その他の色に分別されます。「ペットボトル/その他プラスチック」は異物を除去します。 |
【3】原料にする
圧縮成形された缶(上)とペットボトル梱包品 |
成形して梱包/加工・再生業者へ
不燃・粗大ごみの不燃物は最終処分場、可燃物はアルミを回収して焼却施設へ。スチール缶、アルミ缶は圧縮成形され、「ペットボトル/その他プラスチック」は圧縮・梱包(こんぽう)されます。これら“原料”が、次のステップである加工・再生のため、業者に引き取られていきます。 |
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