提唱】熊本日日新聞社 【特別協力】熊本県、熊本市、環境省九州地方環境事務所、国土交通省熊本河川国道事務所
くまもとエコモーションキャンペーン 2010身近なエコからはじめよう! くらしの中でできるECOは何?
トップページ
お問い合わせ環境掲示板お申し込み

最終更新 2012/07/04


    「地球の未来のためにエコ活動を頑張りたい!」と張り切るエコファミリー4人が、本年度もエコモーションキャンペーン紙面特集のナビゲートをお手伝いします。身近にできることを皆さんとともに楽しく学んでいきましょう!

 今回はスタート特集。来月から取り上げる内容を「水環境」「緑」「エネルギー」「ごみ」の
4つのテーマに分け、それぞれのポイントなどを紹介します。









熊本市動植物園の南門前で湧き出す江津湖の湧き水(同市水保全課提供)
 
 全国に誇る豊かな地下水に恵まれた熊本県。しかし、地下水は限りある資源です。次の世代に引き継ぐために、一人一人が、水を必要な分だけ使うという意識を持って行動することが求められています。県内では、地下水や節水の大切さを啓発するイベントも多数開かれ、親子で楽しみながら学べるものも多いようです。参加すれば、普段の生活でのちょっとした行動を振り返るきっかけになるかもしれません。

 

 貴重な水資源を守るためには、水を汚さない心掛けも必要。海や川が汚れる原因には家庭からの生活排水も影響しています。県内では、河川の清掃や水質浄化、生き物観察など、古里の水辺に親しむボランティア活動が各地で行われています。参加することで、身近な水環境に愛着が湧き、生活と水の関わりを見つめ直す良い機会にもなりそうです。



河川清掃イベント「しらかわの日」で、河川敷のごみ拾いに汗を流す参加者=昨年8月、熊本市の泰平橋周辺








近年は森林ボランティアによる森づくり活動も盛んです。写真は今年3月、熊本市西区河内町の山林で実施された広葉樹植栽活動の1コマ(県森林整備課提供)


 緑豊かな森林は、CO2の吸収や自然災害防止など、多様な公益的機能を併せ持っています。しかし、こうした機能を十分に発揮するには、木々に適度な間隔を持たせる間伐などの手入れが不可決です。県内では植樹や間伐、下草刈りなどの作業を一般の人も体験できるイベントも多数開かれています。参加すれば、森づくりへの貢献だけでなく、緑の大切さへの意識も深まりそうです。

  
 景観の美しさや空気の浄化、ヒートアイランドの緩和など、緑の持つ特性を利用した都市緑化も自治体単位などで進められています。例えば熊本市は、環境保全を目的とした屋上・壁面緑化の取り組みを補助金などでサポートしたり、緑のカーテンの設置を推進したりしています。また緑化に貢献したいという町内自治会や学校などに、花や木の苗を提供しています。こうした取り組みに協力し、街に緑が増えれば、さらに快適で健康な暮らしに貢献できそうです。







熊本市は市電の軌道敷に芝生を植え、景観向上などを目指す「緑のじゅうたん」事業も展開しています(同市緑保全課提供)





     


白熱電球と蛍光灯、LED電球の消費電力の違いを学ぶ、県環境センターのエコライフ体験教室の様子(同センター提供)


 東日本大震災に伴う原子力発電所の事故は、私たちに、「節電」というノルマと同時に、今までの便利さに慣れ過ぎた生活を見直すきっかけを与えてくれたようにも思えます。この夏も全国的な節電対策が求められていることから、節電や省エネの暮らしを啓発するイベントなどが県内でも企画されているようです。参加することで、節電対策はもちろん、効果的なエネルギーの使い方を考える良い機会になるかもしれません。

  

 石油などの化石燃料に替わる持続可能なエネルギー源として、太陽光や風力、水力、地熱などの新エネルギーの普及拡大に期待が高まっています。これらはCO2排出などの環境負荷が少ないメリットも。最近では、子どもたちが楽しみながら、次世代のエネルギーを実感し、将来の環境やライフスタイルを考える契機となるようなイベントも増えています。




広大な敷地に約2万枚のソーラーパネルが並ぶ長洲町のメガソーラー施設「リクシル有明ソーラーパワー」(県エネルギー政策課提供)






       


ごみ減量やリサイクルなどへの関心の高まりから、最近はエコクッキングなどの体験イベントも数多く開かれています(県環境センター提供)

 日常生活とごみは、切っても切れないもの―。しかし工夫次第で量を抑えることは可能です。食材を無駄なく使うエコクッキングやごみ分別のアイデア、生ごみの堆肥化など、家庭で実践できるごみ減量のノウハウを紹介するイベントが、行政やNPOなどの主催で数多く実施されています。誰でも気軽に参加できるものが多く、体験してみる価値はありそうです。

  

 県内では、リサイクルの仕組みを学ぶ施設見学会や、普段はごみとして捨てられがちな身近な材料を使った工作教室など、大人も子どもも参加できるリサイクル体験イベントが多数開かれています。一度壊れれば簡単には取り戻せない自然環境の大切さや、限りある資源を社会で循環させる「資源循環型」の社会づくりを学ぶことができそうです。






リサイクルアートの一環として不要になった水引を使った作品づくりに取り組むイベントの参加者(県環境センター提供)



トップページこのページトップ



新たな一歩、踏み出そう!
 地球温暖化や大気・水の汚染、ごみ問題…、さまざまな環境問題が深刻さを増していることを頭では分かっていても、普段の生活の中で具体的な行動や心掛けに結び付いていない―。そんな人は結構、多いのではないでしょうか。便利さに慣れ過ぎた今日の生活から一歩を踏み出すには、何らかのきっかけや勇気が必要です。
 環境活動というとどこか堅苦しい、特別な人がやるものという印象を持たれがちです。しかし、誰もが楽しみながら気軽に参加できる環境ボランティア活動も数多くあります。新たな一歩を踏み出すきっかけとして、参加してみてはいかがでしょう。楽しみの中から活動への熱意が芽生え、環境に対する意識が深まるかもしれません。
 本年度のエコモーションキャンペーンでは、私たちが取り組める身近なエコ≠フ一例として、県内で行われる環境イベントにスポットを当て、お伝えする予定です。特集が皆さんにとって、環境問題への気付きや学びの題材となり、一人でも多くの方が「実行してみよう!」と思うきっかけになれば幸いです。
 来月からの特集で、コラム連載を始めます。環境に関する最新の話題を取り上げる予定ですので、こちらもご期待ください。

くまもとエコモーションキャンペーン 総合コーディネーター
篠原亮太さん


◇しのはら・りょうた 1973年、北九州市環境衛生研究所入職。99年から現職。
「くまもとエコモーションキャンペーン」総合コーディネーター。福岡県出身。



トップページこのページトップ


無断転載は禁じます。「くまにち.コム」に掲載の記事、写真等の著作権は熊本日日新聞社または、各情報提供者にあります。
Copyright Kumamoto Nichinichi Shimbun (C)熊本日日新聞社