提唱】熊本日日新聞社 【特別協力】熊本県、熊本市、環境省九州地方環境事務所、国土交通省熊本河川国道事務所
くまもとエコモーションキャンペーン 2010身近なエコからはじめよう! くらしの中でできるECOは何?
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最終更新 2010/09/29
  特 集  


特集 | ECO(=エコ)ラムエコモーション Pick Up





  “捨てない”生活
 毎日の暮らしで必ず出る生活ごみ。でも工夫とやる気次第で量を抑えることができます。それが「リデュース」。環境活動のキーワード「3R」(リデュース=減量、リユース=繰り返し使う、リサイクル=再資源化)の一番手≠ノあるのは、一人一人が身近に実践できる取り組みだからでしょう。とはいえ、わたしたちに染み付いた消費生活を改めるのは容易ではありません。ならば“捨てない”“使い切る”生活スタイルはいかがでしょう。そこにリデュースのヒントがあるようです。

まだまだ減らせる家庭のごみ
 県内のごみ(一般廃棄物)総排出量は、1999年度の年間69万7000トンがピークでしたが、以降は減少が続き、2008年度には60万2000トンまで減少。9年間で約14%減りました。熊本市が昨年10月に家庭ごみ収集の有料化を始めたことで、排出量は今後さらに減少する見込みということです(県廃棄物対策課)。県が廃棄物処理計画(06年度策定)で掲げた最終年度(本年度)の排出目標値は61万8000トンでしたが、既に08年度で大幅にクリアしました。
 1人1日当たりの排出量も年々減っていて、08年度は894グラム。沖縄県の831グラム、佐賀県の873グラムに次いで全国3位の少なさでした。全国平均が1033グラムですから、誇れる数字といえるでしょう。しかし、これで安心はできません。ごみの内訳は、08年度で生活系ごみが約65%、事業系ごみが約32%。いずれも排出量は減少していますが、生活系ごみの比率が徐々に高まっています。わたしたちが排出する生活系ごみをまだまだ減らす工夫が必要なようです。
 ごみをさらに減らすことができれば、焼却に伴う二酸化炭素(CO)発生などの環境負荷を抑えるほか、処理費用も低減できます。熊本市を例に挙げると家庭ごみの処理費用は、08年度は約84億円。小学校の体育館を24棟も建てられる計算だそうです。処理施設も無限に機能するわけではありません。ごみを減らす生活はわたしたち一人一人にとって大切な課題なのです。






工夫次第で環境に優しい暮らし
ごみダイエットに挑戦―

 ごみの発生を抑える「リデュース」、モノを繰り返し使うことでごみにしない「リユース」。一見、大変そうですが、ちょっとひと手間かけたり、発想を転換したりすることで、普段の暮らしにすんなりなじみそうです。リデュース、リユースのアイデアを達人に聞きました。

アイデア提供/赤木惇子さん(主婦)・水俣市
食べ尽くせばよい!! オーブンシートは自前 もっと使おう!!
 台所からなるべくごみを出さないためには、食材を「食べ尽くすこと」(赤木さん)。どうしても出る野菜のヘタなどはバケツで発酵させて畑の堆肥(たいひ)に。3枚おろしにして残った魚の頭や骨は捨ててしまわず、ざるに乗せて冷蔵庫で4、5日乾燥させ、オーブンであぶれば骨せんべいの出来上がり。おつまみになるほか、小さな子どもも喜んで食べるそうです。  カレンダーなどの厚手の紙は、丸くカットしてレンジのシートに。余分な油を吸い取る上、噴きこぼれなどの汚れを防ぎ、掃除も楽です。汚れたシートは捨てずに取り置けば、冬のまきストーブの燃料などに使うことも。「モノは形を二転三転させて使い切る」「動植物由来のごみは自然の循環に返す」という心掛けが大事だといいます。  資源ごみに出せる紙は出す、というのは基本ですが、もっと使おうという姿勢も大切です。片面印刷の広告チラシや用済みの書類は、大きさをそろえてリボンでとじればノートになります。赤木さんは、子どもたちが身近なことから環境について考えるきっかけになればとの思いで、子どもたちにこれらのノートをプレゼントしているそうです。



このほか・・・
熊本市に市民から寄せられたアイデアのいくつかを紹介します。

お茶、コーヒーかすを防臭剤に
お茶やコーヒーのかすは乾燥させて防臭剤、脱臭剤に。粉末化してクッキーやケーキに混ぜるなど、いろいろと応用も。
古靴下はぞうきん代わり
古い靴下をそのまま手にはめれば、ぞうきんの代用に。窓ふきなどにとても便利。
毛糸で「アクリルたわし」
余った毛糸で「アクリルたわし」を作成。食器の油汚れや茶渋などがよく落ち、洗剤量の節約にも。棒の先に巻き付けて使えばトイレや風呂洗いに便利。
新聞紙が除湿に最適
古ストッキングに新聞紙を入れて靴やブーツに詰めれば、湿気取りや、靴の形を整える役割も。新聞紙は押し入れの除湿にも最適。
パンの耳を再利用
パンの耳を細かく砕いてパン粉にすれば、いろんな料理に重宝。耳は油で揚げ砂糖をまぶしてもおいしく食べられる。
生ごみを堆肥化
水分をよく切ってなるべく砕いた生ごみを、庭に穴を掘って埋めれば家庭菜園の堆肥に。
スイカの皮でお漬物
スイカの硬い皮をむき、適当な大きさに切って塩をまぶす。2〜3時間置いた後、よく絞って水気を切り食卓へ。しょうゆやマヨネーズを付けて食べるのがお勧め。
ストッキングをごみ取りネットに
女性用のストッキングは生地の目が細かく、台所の排水口のごみ取りネットにうってつけ。靴磨きに使えば、とても良いつやが…。






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 ECO(=エコ)ラム【3】 

くまもとエコモーションキャンペーン
総合コーディネーター

篠原 亮太さん(熊本県立大学環境共生学部教授)
資源物の分別
定着には地道な活動必要
 酷暑が続き、ゲリラ豪雨が頻発する異常気象に、多くの人々は地球環境の異変を実感されていることでしょう。地球環境を守るために私たちにできることは、ごみを減らし、限られた資源を繰り返し使う「3R運動」だと思います▼しかし、ある自然科学系の大学教員が「ペットボトルなどの回収した廃棄物は、燃やした方がエネルギー効率が良いので、リサイクルすべきではない」と出版物やマスコミを通して主張しています。確かに廃棄物の中には、そのまま燃やし、熱エネルギーとして回収した方が、効率が良いものもあります。だからといって、分別をやめ、すべてをごみとして燃やしてよいものでしょうか▼家にごみとなるものを持ち込まず、資源物を分別する行為を根付かせるためには、わたしたち一人一人の長い時間をかけた地道な環境活動が必要です。人の環境活動があってこそ、科学技術は生きてくるのです。

◇しのはら・りょうた 1973年、北九州市環境衛生研究所入職。99年から現職。「くまもとエコモーションキャンペーン」総合コーディネーター。福岡県出身。
 エコモーション Pick Up vol.4 

レジ袋を減らそう!!
10月1日からマイバッグキャンペーン強化月間

 10月は「マイバッグキャンペーン」の強化月間―。県は、レジ袋を減らし、ごみを減量化しようと1995年度から同キャンペーンに取り組んでおり、2007年度からは九州7県共同で実施しています。
 県内の協力店舗数は、08年度が864店、昨年度は994店、本年度1004店と着実に増加。これらの店舗は期間中、「レジ袋辞退者へのスタンプ、キャッシュバックなどの特典付与」「レジ袋有料化」など7項目あるマイバッグ推進策のいずれかに取り組みます。強化月間終了後、成果を集計し発表。昨年度の県内のマイバッグ持参率は28.9%で、前年度より8.7ポイント上昇。その結果、レジ袋は前年度の5割増しの784万枚が節約されました。
本年度のキャンペーンのポスター


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