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くまもとエコモーションキャンペーン 2010身近なエコからはじめよう! くらしの中でできるECOは何?
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最終更新 2010/08/28
  特 集  


特集 | ECO(=エコ)ラムエコモーション Pick Up





  
 景観向上はもちろん、地球温暖化対策や、都市部の気温が上昇するヒートアイランド現象の緩和策の一つとして、建物の壁面や屋上を緑化する取り組みが広がっています。夏場の強い日差しを遮るだけでなく、二酸化炭素(CO2)吸収や省エネなどの効果も期待できます。最近は、窓の外につる性の植物をはわせる「グリーンカーテン」が、建物内の暑さを防ぐものとして、ちょっとしたブームになっています。

日差し遮る 生い茂った葉
 玉名市立三ツ川小学校の取り組み
 情操教育の一環として、校内の農園で20種類近くの野菜や草花を栽培する玉名市立三ツ川小学校(杉村正直校長、45人)では昨年から、各教室の窓の外にネットを設置し、ゴーヤーなどを使った「グリーンカーテン」作りに取り組み始めました。夏場になって勢いよく伸びたつると葉がネット一面を覆い、強烈な日差しを遮ってくれています。職員からは「窓から差し込む日が柔らかくなり、風も涼しく感じるようになった」との感想も。同校が今月上旬にグリーンカーテンの内と外の気温差を調べたところ、最大11℃もの差が出ました。
 日差しを和らげることがグリーンカーテンの本来の目的ですが、実のなる植物を育てれば収穫も楽しみ。昨年はゴーヤーとアサガオの2種類でしたが、今年は1年生がアサガオ、4年生がゴーヤーとヘチマ、5、6年生がキュウリと種類が豊富になり、課外活動で環境委員の児童を中心に皆で水やりや草取りなどの世話をしています。子どもたちは「こんなに伸びたよ」「花が咲いたよ」「実がなったよ」と植物の成長力に驚き、大喜びです。
 毎年、7月の夏の収穫祭には地域の人たちを招き、農園で収穫した野菜でカレーパーティーを開催。今年はグリーンカーテンで実ったゴーヤーなども食材に使い、おいしくいただいたそうです。





作ってみようグリーンカーテン
培養土、プランターで手軽に
 グリーンカーテンは一般家庭でも、培養土やネット、プランターなどを使って低予算で手軽に作ることができます。専門家にノウハウを聞きました。

 まずは植物選び。夏場だけの栽培なら葉の茂りがはやいゴーヤー、ヘチマ、アサガオなどが定番。観賞も楽しみたい人には、ツルマサキ、モッコウバラなど花をつけるツタ系などがお勧めです。
 栽培は、地面がコンクリートならプランターを活用、土の庭なら根が張る地植えがよいでしょう。地植えは、ある程度放っておいても育ちますが、プランターは小まめに水をやらないと、すぐに枯れてしまいます。
 植える前の土作りも大切です。堆肥(たいひ)を入れるなどして土壌を改良してください。植える間隔は20a以上。根と根の間を開ければしっかり根を張り、伸びやすくなります。ネットは植物の外側に張り、内側からつるが絡むようにします。後は成長を待つだけですが、実をつける品種の場合、かなりの重量がネットにかかるため、重さに耐える強度にしておく必要があります。
 枯れてからの後始末も考えておきましょう。つるをネットから外すのは大変で、ネットが破れることも。翌年以降の栽培に備え、繊維網でなく強度が高い金網を選ぶのも一つの手かもしれません。
(取材協力・アウテリアタイガー)






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 ECO(=エコ)ラム【2】 

くまもとエコモーションキャンペーン
総合コーディネーター

篠原 亮太さん(熊本県立大学環境共生学部教授)
目標とする「低炭素社会」
省エネ・省資源は今後も必要
 1992年にブラジルで開かれた「地球サミット」で、各国代表が「環境と開発の調和」を目指し、持続可能な社会づくりを決意しました。日本でも翌93年、地球規模で環境問題に取り組もうと環境基本法が成立しました▼人類が直面する危機に、地球温暖化と天然資源の枯渇があります。2000年に循環型社会形成推進基本法が施行され、廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再利用(リサイクル)の「3R」の推進が始まりましたが、資源の有効利用だけでは、地球温暖化はとうてい防げません▼化石燃料そのものをなるべく使わない「低炭素社会」という言葉が用いられるようになりました。レジ袋を使わないようにする運動は低炭素社会の象徴です。しかし目標とする社会が低炭素社会と呼ばれるようになっても、私たちが省エネ・省資源などの環境活動を続けなければならないことに変わりはありません。

◇しのはら・りょうた 1973年、北九州市環境衛生研究所入職。99年から現職。「くまもとエコモーションキャンペーン」総合コーディネーター。福岡県出身。
 エコモーション Pick Up vol.3 

軌道敷を覆う色鮮やかな芝生
市電“緑のじゅうたん”工事

 熊本市は市電の軌道に芝生を敷き詰める、緑のじゅうたん工事を6月から進めています。「景観だけでなくヒートアイランドの緩和や騒音軽減など環境面での効果も期待」(緑保全課)されます。工事は田崎橋電停から熊本駅前電停がある「大屋根」下までの約400メートル(面積1850平方メートル)が完了。来年2月末までに市役所前―通町筋間の約280メートル(同1300平方メートル)が整備されます。その後、水道町電停までの延伸が予定され、鮮やかな“緑のじゅうたん”が街を貫くことでしょう。
 この事業は、敷設後の維持管理が重要といいます。市は募金を事業の経費の一部に充てようと、団体や企業、個人のサポーターを募集しています。 問い合わせは同市緑保全課 TEL096(328)2352。
芝生が敷設され、緑がまぶしい熊本駅前の「大屋根」下
=熊本市(同市提供)


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