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くまもとエコモーションキャンペーン 2010身近なエコからはじめよう! くらしの中でできるECOは何?
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最終更新 2010/07/01
  特 集  


特集 | 総合コーディネーターよりエコモーション Pick Up

 「くまもとエコモーションキャンペーン」が本年度、取り組むテーマは「身近なエコからはじめよう!」。節水や緑化、省エネ、リサイクル、自然エネルギーの利用など、わたしたちの生活にかかわりの深い事柄をテーマに、来年1月まで月1回、県内の企業や行政、グループなどによる、環境に配慮したいろんな取り組みも合わせてお伝えしていきます。
 今回は、これから取り上げる6つのキーワードを紹介します。

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“リデュース”“ リユース”から始めてみよう!! “捨てない”生活
マイバックを楽しむコツは“遊び心
 物を捨てなければ環境への負荷が軽減されます。熊本市と近隣市町の一部店舗で昨年10月からレジ袋有料化が始まりましたが、これにより店舗でのマイバッグ持参率が約8割に。“普段着のエコ”に定着した感もあります。楽しむコツは遊び心。環境保全に取り組む若者グループ「ユースかんくま」は「新聞エコバッグ」を作っており、講習会を開くまでになりました。副代表の藤本紀子さんは「ごみと思っていた物も、ひと工夫で別の用途に使えます」。“捨てない生活”を実践することが環境を考える第一歩かもしれません。
「ユースかんくま」による「新聞エコバッグ」作りの講習会の様子(右)と完成品の一例



“緑”のもたらす効果が注目されているいるよ 
快適で健康な暮らしに貢献
 コンクリートや排ガスなどで街中の気温が上がるヒートアイランドが熊本でも深刻な環境問題に。そんな中、4月にできた木造賃貸集合住宅「エコ・コミューン山ノ神」(熊本市)では、初めての夏をクーラーなしで乗り切ろうとしています。秘密は地下3メートルの温度を利用した自然空調システムと緑のカーテン。5月に住民総出で植えたゴーヤーが、真夏には各棟の1階リビングを覆うとか。オーナーの田上辰也さんは「気温を下げるのが目的ですが、収穫祭も楽しみ」。街にも緑が増えれば、快適で健康な暮らしにも貢献できそうです。
“緑のカーテン”の完成が楽しみな「エコ・コミューン山ノ神」(右)。上はヒートアイランド抑制のための屋上緑化を進める環境省九州地方環境事務所=熊本市尾ノ上



企業のリサイクルにはどんなものがあるの? 廃棄物の再資源化
小さな活動の積み重ね 企業も消費者と一緒に
 資源を有効に再利用する社会を作っていこうという動きがあります。そのためにはわたしたち一人一人の小さな活動が大切です。
熊本市の南九州コカ・コーラボトリングでは、集めた空容器を再資源化。例えばペットボトルは、洗った後に粉砕、フレーク化され、綿とつむぎ合わされてユニホームなどに生まれ変わります。同社によると最近は、空容器の回収率が上がっているそう。それは消費者の分別意識が高まったから。わたしたち消費者と企業が一緒になって資源を大切にすることが目指すべき社会の実現につながるのです。

ユニホームのシャツ、ネクタイ、ズボンともペットボトルの再生品(左)。上は、右から順にフレーク、ペレット、混紡前の原綿



“新エネルギー”って何? 自然エネルギー
CO2排出抑え、家計も助ける 普及進む太陽光発電
 CO2を出さない自然エネルギーが注目されています。中でも、一般家庭で普及が進むのは太陽光発電。セキスイハイム九州熊本支店(熊本市)がことし4〜5月に受注した住宅での搭載率は80%にも及ぶそうです。最大の普及要因は1キロワット時当たりの買い取り価格が25円から48円に倍増したこと。導入した家庭の楽しみは光熱費の推移を見ることだとか。モニターにリアルタイムで発電量、消費量、売電量が表示され、節電意識が高まるそうです。売電量が買電量を上回れば、光熱費を「払う」から「もらう」家へ変わります。





熊本の水を守るためにどうすればいいの? くらしと水
目指してみよう、節水目標
 熊本の地下水はかけがえのない資源―。県民はそう感じているはずですが、「まだまだもったいない」「ぜいたくな使い方」と思われるところがあるかも。熊本市は節水の取り組みに熱心です。今年で3回目を迎える「節水強化月間」(7〜9月)では市民に節水を呼び掛けています。効果は徐々に出ていますが、それでも目標の“平成14年度比10%削減”には至っていません。何も同市の目標が厳しいわけではなく、他県では普通レベルなのだとか。水は宝です。身近にできることを考えてみませんか。

江津湖(熊本市)のほとりでわき出すわき水(左)。上は出水量を抑える「節水コマ」の取り付けを見守る熊本市立田底小学校の児童ら



省エネについて考えてみよう!! 節約の知恵
“家計にやさしい”が省エネのポイント
 節電や燃料の節約など、日常生活には省エネメニューがたくさんあります。車の運転もその一つ。熊本ドライビングスクール(KDS・熊本市)は、JAFとの共催で「エコドライブ教室」を年2回ほど開催し、“環境に優しい運転法”をドライバーに教えています。ソフトな発進と停止やアイドリングストップなどで、燃費が25%ほど向上するそう。教務課長の佐藤弘利さんによると「心掛け一つでできますが、続けることが大事」とか。実行すれば、その分、得をする―。“家計に優しい”が家庭でできる省エネのポイントのようです。

運転の仕方で燃費の変化を測定する装置(左)。上はエコドライブ講習の様子



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 総合コーディネーターより 

くまもとエコモーションキャンペーン
総合コーディネーター

篠原 亮太さん(熊本県立大学環境共生学部教授)

まだまだ低いエコ意識
行動促す“外圧”必要
 普段から強くエコを意識する人はそう多くないと思います。わたしたちは確かにごみを分別して決まった日に出すようになりましたし、空き缶、空き瓶、ペットボトルもそれぞれ区分して回収ボックスに入れるようになりました。でも、これらは条例など「しなければならない仕組み」が出てきたから必要性に気付き、身に付いた振る舞いではないでしょうか。
 エコに対するわたしたちの意識はまだまだ低く、行動も心もとないかもしれません。だから、個人個人の取り組みを市町村単位、県単位と大きくしていくには、ある程度の“外圧”も必要。それは法律や条例以外に、マスコミの主張、世論と形はさまざまでしょう。
 わたしはことしの「エコモーション」で取り上げる「身近なエコのすすめ」が、読者の皆さんへの“外圧”となってほしいとも思っています。個人の行動がどんな結果につながるか。そういう行動の意味まで解説し、皆さんに理解してもらえたら、モチベーションも高まるでしょう。
 さて、ことしは毎月の連載コラムでわたしの雑感をしたためます。お楽しみに。

◇しのはら・りょうた 1973年、北九州市環境衛生研究所入職。99年から現職。「くまもとエコモーションキャンペーン」総合コーディネーター。福岡県出身。

 ※次回特集から、篠原教授による連載コラム「ECO(=エコ)ラム」を掲載します。環境問題の最前線や世界的なトピックス、市民への問題提起など幅広いテーマを取り上げていただく予定です。
 エコモーション Pick Up 

熊本市民の節水意識は?

 熊本市の「節水強化月間」(7〜9月)を前に行われた、「節水」についての調査結果を見てみましょう(※)。
 「節水に取り組みたいですか?」という質問には、回答者748人のうち、9割以上の人が「取り組みたい」と答えていて(図1)、大多数が前向きであることが分かります。一方で、「昨年の強化月間中、節水に取り組みましたか?」との問いには、約3割が「あまり(まったく)取り組めなかった」と答えています(図2)。「方法が分からない」「面倒くさい」など、実践するまでには至っていない人も多いようです。

*このコーナーでは、環境にまつわる数字や珍しい取り組みを行っている団体など“ちょっと気になる”ニュースをお伝えしていきます。
次回は7月28日(水)に掲載予定


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