提唱】熊本日日新聞社 【特別協力】熊本県、熊本市、環境省九州地方環境事務所、国土交通省熊本河川国道事務所
くまもとエコモーションキャンペーン 2010身近なエコからはじめよう! くらしの中でできるECOは何?
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最終更新 2012/01/25



環境意識向上へ検定などに挑戦!!


 東日本大震災を教訓に、「いま一度、自分のくらしを見直そう」をテーマに掲げた2011年度「くまもとエコモーションキャンペーン」。昨年7月から月1回の特集で、節水や節電、省エネ、ごみ減量など、日常生活に関わりの深いテーマを取り上げ、環境負荷を減らす方法などを紹介してきました。今回はその総まとめとして、「エコを意識した暮らしに、もう一歩進んで取り組もう」「新年を機に、何か新しいエコにチャレンジしよう」と考えている人のステップアップに役立つ情報をまとめました。節水、ごみ減量などの環境保全活動を支援する県内自治体の補助金制度も紹介します。 
vol.7チャレンジ・エコライフ

 写真
環境カウンセラーによる自然観察指導
 女の子 補助金もあるのね




もう一歩ステップアップ!    自然との触れ合いや環境問題に対する社会的関心がますます高まる中、環境に関する資格を持つことに興味を持つ人が増えているようです。そこで一般の人でも挑戦できる環境関連の資格・検定の一部をピックアップしました。「環境問題の知識をさらに深めたい」「専門的な技術や資格を身に付けてキャリアアップを目指したい」など意欲のある人はトライしてみてはいかがでしょう。 


【eco検定(環境社会検定試験®)】東京商工会議所
STEPUP「1」まずは知識を深めたい 「エコアクション21審査人の研修会の様子   環境に関する幅広い知識を持つ人材の育成を目指し、熊本や東京など全国の商工会議所が実施している検定(有料)です。試験は、国際的な環境保全の取り組みや適正なごみ処理の方法など環境問題全般についてマークシート方式で答え、100点満点中70点以上が合格。学歴・年齢・性別・国籍による受験制限はありません。2010年度は全国で6万2927人が受験し、3万9079人が合格しました。勉強は、東京商工会議所編著の公式テキスト(改訂3版eco検定公式テキスト)を中心に行います。
詳しくは、同会議所検定センター 〔電話〕03(3989)0777 http://www.kentei.org/

STEPUP「2」学んだことを人に教えたい

【環境カウンセラー】
環境省
 自然保護や環境学習などの専門的な知識や経験を持ち、いろんな団体の相談に応じたり、講師を務めたりする人材を登録する制度。事業者部門と市民部門があり、カウンセラーになるには、環境教育のプログラム作り、自治体や市民団体での環境保全活動、企業の環境管理部門における実務などで所定年数以上の経験が必要です。その上で、論文による書面審査、面接審査をクリアすれば「環境カウンセラー」として登録されます。申請手数料は無料。
問い合わせは、環境カウンセラー事務局(財団法人日本環境協会)〔電話〕03(5643)6251
http://www.jeas.or.jp/



【家庭の省エネエキスパート検定】
財団法人省エネルギーセンター
 日常生活や企業活動の中で「家庭の省エネ・節電」を推進する人材の発掘・育成を目的に、2011年度から始まった検定(有料)。希望すれば誰でも受検できます。試験は「エネルギーの基礎と家庭の省エネ」など3課目(各100点満点)で行われ、解答は選択式。各課目3分の2以上程度の正答者が合格となります。11年度は全国で1556人が受検し、1121人が合格。合格者には、より高度な省エネ提案力を身に付ける「家庭の省エネ診断エキスパート研修」の受講資格が与えられます。
問い合わせは、財団法人省エネルギーセンター同検定事務局〔電話〕03(5543)3047
http://www.eccj.or.jp/



【うちエコ診断】
環境省
 環境省の委託事業で、一般社団法人地球温暖化防止全国ネットが認定した「うちエコ診断員」が、家庭の二酸化炭素(CO2)削減などを提案するコンサルティングサービス。CO2削減や省エネ、地球温暖化など幅広い知識を持つ診断員が、ライフスタイルの見直しから省エネ機器への買い替えまで、効果的なアドバイスをしてくれます。モニターとなる家庭の募集は年1回(2012年度の実施要項は未定)。
問い合わせは、熊本県地域事務局(NPO法人くまもと温暖化対策センター)〔電話〕096(356)4840
http://www.kuma-ontai.jp/
STEPUP「3」仕事に生かしてみたい

【省エネ環境診断士】
一般社団法人省エネ環境推進機構
 企業の二酸化炭素(CO2)排出の一層の抑制を求める改正省エネ法施行(2010年4月)に伴い、開設された民間資格です。同法の規制対象となる事業者への各種報告書などの作成支援や、省エネ対策に取り組みたい事業者などに、プランニングを行います。養成講座(有料)を修了し検定試験に合格すると、資格認定を受けられます(有効期限3年間)。行政書士、中小企業診断士や、企業内の省エネ対策に取り組む人、これから就職や転職を目指す人にもお薦めの資格です。
問い合わせは、同機構 〔電話〕0123(42)2600
http://eco-human.org/



【エコアクション21審査人】
一般財団法人持続性推進機構
 環境省が策定した環境配慮型経営の認証制度「エコアクション21」の認証・登録を希望する事業者が、同制度のガイドラインに適合した経営システムを構築・運用しているかを審査する個人の資格。受験(有料)には、環境カウンセラーであることや、技術士、エネルギー管理士等の資格所有などの条件が伴います。その上で、中央事務局(東京)が実施する書面、筆記、面接の各試験に合格し所定の講習を修了すると、「エコアクション21審査人」に認定・登録されます。
問い合わせは、エコアクション21地域事務局環境技術協会 〔電話〕096(345)3808
http://www.eta.gr.jp/
中央事務局のアドレスはhttp://www.ea21.jp/



【地域カーボン・カウンセラー】
一般社団法人カーボンマネジメント・アカデミー
 一般社団法人カーボンマネジメント・アカデミーの「地域カーボン・カウンセラー養成講座」(年1回、受講無料)を受けた人に認定される民間資格。講座では、地球温暖化の基礎知識や省エネ事業に必要な実務などを教育課程に、数週間の集中講義を行い、地域に密着した生活分野で二酸化炭素(CO2)排出削減の指導ができる人材を育成します。18歳以上で日本国籍を持つ人なら誰でも応募可。修了者は、CO2削減や省エネのコンサルタントとしての起業、NPO等の設立などの活躍が期待されます。
問い合わせは、一般社団法人九州カーボンネットワーク協会 〔電話〕096(365)0111
http://www.kcna.jp/





 個人を対象とした環境関連の県内自治体の主な補助金制度をまとめました。しっかりチェックして有効な活用を考えてみませんか。  


生ゴミ処理機・堆肥化容器設置
  家庭から出る生ごみを減らす手だてとして、家庭用の電動式生ごみ処理機や生ごみ堆肥化容器(コンポスト)などを使った処理方法があります。生ごみ処理機は、生ごみの体積を減らすことで廃棄に伴う環境負荷を軽減。家電量販店などで購入でき、性能などによって4万円台〜10万円前後。生ごみ堆肥化容器は細菌の働きを利用して生ごみを肥料に変えるものです。ホームセンターなどで販売され、1500円〜1万円前後。
 県廃棄物対策課によると、県内34市町村が機材購入の際の補助制度を設置。詳しくはお住まいの市町村へ。


雨水タンク設置
 節水対策の一つに雨水の有効利用があります。家庭で取り組む場合、住宅の屋根などから雨どいを伝ってくる雨水を貯留タンクにためる方法が一般的。タンクの水は自然災害などで断水した際、非常用水にもなります。県内では熊本、合志の両市がタンク設置の補助制度を用意。熊本市は事前申請が必要で、200リットル以上のタンク設置にかかる費用の3分の2以内(上限3万5000円)、合志市は50リットル以上のタンク取得に必要な費用の半額(同3万円)を補助。詳しくは両市へ。
熊本市水保全課 〔電話〕096(328)2436。合志市環境衛生課 〔電話〕096(248)1202。


住宅用太陽光発電システム設置
 再生可能エネルギーによる発電方式の代表格の一つが太陽光発電。県は太陽光発電の普及に力を入れており、住宅用太陽光発電システムの普及率は現在、佐賀県に次いで全国2位と健闘しています。
 本年度は県と、熊本、八代、水俣、玉名、山鹿、菊池、宇土、上天草、宇城、天草、合志の各市、玉東、南関、長洲、和水、大津、菊陽、高森、嘉島、益城、山都、芦北、多良木、苓北の各町、西原、南阿蘇の各村が、住宅用の太陽光発電システム設置に関する補助制度を設けています。詳しくはお住まいの市町村へ。



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エコモーション PICK UP【7】 しのはらセンセイのECO(エコ)コラム【7】
文房具でもエコ化が加速
針を使わないホチキスも


 資格取得や受験勉強に欠かせないアイテムといえば、筆記具やノート、ファイルなどの文房具。この分野でもエコ化の動きが加速しています。
 最近ではリサイクル製品が増加。ペン製品の多くは、キャップや軸、鞘(さや)、ノブに至るまで、素材に再生プラスチックが使われています。変わり種では、グリップの材料にウイスキーの酒樽の木を再利用したボールペンやシャーペンも。またマーカーペンは従来、使い捨てが主流でしたが、インクを詰め替えて、繰り返し使える商品も販売されています。
 機能性に優れたエコ文具も続々登場。熊本市上通町の文房具専門店・甲玉堂では、金属製の針を使わないホチキス「ハリナックス」(コクヨS&T製)が、昨秋の販売開始以来、好調に売れているそうです。同製品は、舌のような形をしたカッターで、とじようとする紙をカットし、同時にその紙を、切り込んだ細い溝に差し込んで固定する仕組み。針を補給する必要がなく、とじた紙を廃棄する際も、紙と針を分別しなくて済むという優れものです。
 環境保全に配慮して作られた文具製品の多くには、財団法人日本環境協会(東京)が認定する「エコマーク」が表示されています。こうした商品を進んで購入することも、大切な環境活動といえます。
自然と人類の存続
調和図る東洋思想見直す時に


 わが国は明治維新以来、近代化に欠かせない西洋科学を積極的に取り入れました。科学技術の進歩によって、私たちは欧米式の近代的な生活空間を手に入れ、さらに自然災害をも克服しつつありました▼しかし3・11の大地震と巨大な津波に遭遇し、自然の力が人間の予想をはるかに超えた膨大なエネルギーを持っていることをあらためて認識させられました。また原子力発電システムの重大な事故は、エネルギー政策の方向転換を迫っています。人間は自然とどう向き合うべきか、人類の存続をかけて議論しなければならない時期にきているようです▼米国の文明批評家ジェレミー・リフキン氏(1945〜)は「地球の容量や資源には限界があるので、人類が永続的な幸福を図るには、人類を地球の支配者と認める西欧文明ではなく、自然と人類の調和を求める東洋思想が必要である」と述べています。明治の文明開化とともに希薄になってきた「自然との共生」を大切にしてきた東洋思想を見直す時がきたようです。

くまもとエコモーションキャンペーン 総合コーディネーター

熊本県立大学 環境共生学部教授
篠原 亮太さん



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