株式会社杉本本店

新工場完成、海外輸出へ本格始動

─新型コロナウイルス感染拡大による影響は。

杉本 畜産業界全体への影響としては、牛肉相場の下落が挙げられます。インバウンドによる和牛の需要がほとんどなくなったほか、飲食店の一時閉店、時短営業が重なり、緊急事態宣言が出された時期には最大25%ほど下がりました。その代わり、巣ごもり需要は増加。豚や鳥、手頃な価格帯の和牛、国産牛などの消費が急激に伸びました。当社に関しては、外食産業よりスーパーや百貨店との取り引きが多いため、出荷量が増えた半面、単価下落により減収となりました。ただ、昨年9月以降は例年以上の高い水準を維持しており、今までのところコロナ禍の影響は限定的です。

─本社新工場が完成しました。

杉本 昨年6月末から本格稼働しています。新工場は延床面積2641平方㍍の3階建てで、1階に加工・処理工場、2、3階に事務所や品質管理室、社員食堂を備えています。処理能力は、従来が1日25頭だったのに対し60頭、収容能力は従来100頭に対し350頭に拡大。取引先のニーズに応じて、さまざまに加工することも可能です。最新設備を導入し、衛生や安全、環境保全対策を徹底しているほか、省力化を図ったことで従業員の労力を軽減でき、働き方改革にもつながりました。

代表取締役 杉本 光士郎氏

─品質向上に取り組まれています。

杉本 工場で食品安全管理マネジメントシステム「FSSC22000」を、農場では食品衛生管理に関する国際基準「HACCP(ハサップ)」に加え、昨年、食の安全や環境保全認証「JGAP」を取得しました。JGAP取得によって東京オリンピック・パラリンピックの納入基準を満たし、私たちも準備を進めていたのですが、大会が延期になってしまい、とても残念に思っています。またチャンスがあれば、チャレンジしたいですね。

─今後の展望を教えてください。

杉本 当社では、オリジナルブランドの黒毛和牛「黒樺牛」2万頭を42カ所の自社牧場で飼育・生産しています。和牛の生販一貫体制を整え、高い品質と安定供給を実現できる企業は限られています。HACCPの認証を取得するなど、国際的な基準もクリアしていますので、今後は海外輸出に取り組んでいきます。昨年11月、タイとマカオでライセンスを得ました。まずは、日本の食文化に近く和牛のニーズが高い、シンガポールや台湾、香港といったアジア圏への販路拡大を目指します。そのために増産も視野に入れています。

昨年6月に完成した新本社工場

概要

所在地 〒861-4307 宇城市豊野町巣林538番地
【電話】0964(45)2611
事業内容 食肉卸、小売、和牛繁殖、和牛肥育
設立 昭和58年1月(創立 昭和23年1月)
資本金 5,000万円
役員 取締役会長/杉本知彌
代表取締役/杉本光士郎
専務取締役/杉本侑次朗
従業員数 145人(グループ計)
グループ企業 (株)矢岳牧場、(株)スギモトファーム
ホームページ http://www.sugimotohonten-shop.com/

熊本日日新聞社

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