株式会社あつまる山鹿シルク

山鹿から新しいシルク産業を創造

─創業経緯や事業概要を教えてください。

島田 「あつまるホールディングス(HD)」の故・島田俊郎前社長が2014年、ジャパンシルクの復活を目指してシルク事業を立ち上げました。同年10月、農業生産法人「あつまる山鹿シルク」を設立し、かつて養蚕が盛んだった山鹿市の標高約600㍍・広さ25㌶の耕作放棄地に桑畑「天空桑園」を造成、桑の栽培を開始。同市の小学校跡地に17年、あつまるHDのシルク生産工場「NSP山鹿工場」が竣工し、両社協働で事業をスタートさせました。工場は4000平方㍍超という大規模なクリーンルームプラントで、最先端技術を導入しており、年間24回の周年無菌養蚕が可能です。天空桑園では無農薬・無化学肥料で桑を育成し、収穫した桑葉を工場に納入。乾燥、粉末化してカイコの人工飼料としています。繭の生産量は現在、年間10㌧弱程度です。

─シルクを使った化粧品が話題です。

島田 シルクには人の肌に近い18種類のアミノ酸が含まれており、アレルギー反応が起こりにくく、肌になじみやすい特長を持っています。そこで、やまがシルクを使った「COKON LAB」というボディーケア商品を開発、一昨年秋に発売しました。県内はもとより全国でも徐々に取扱店が増え、オーガニックで安心・安全、保湿性も高い良質な化粧品として好評を頂いています。海外展開も見据え、EU圏での化粧品の供給、販売についても承認を得ており、すでに7カ国で販売を開始しています。EU圏の規制は非常に厳しく、それをクリアした質の高さを武器に、ヨーロッパはもちろんアジア圏にも販路を拡大していく予定です。

代表取締役社長 島田 裕太氏

─さまざまな企業とのタイアップや研究開発にも取り組まれています。

島田 愛知の「瀧定名古屋」という繊維専門商社では、弊社のシルクパウダーを特殊加工し、コットン生地に絹のような肌触りを持たせる「シルクプロテイン加工」を開発。アパレルメーカーで少しずつ採用されており、多数の国内外ブランドからオファーが届いています。また、欧米の医療系企業からは医療用材料として生糸の提供依頼があり、生糸を生産する自動繰糸機1台を導入しました。熊本大学と連携した薬の研究開発などを見据えて、国の認証を得て緑色蛍光絹糸生産の遺伝子組み換えカイコの飼育にも取り組んでおり、緑色蛍光繭、いわゆる「光るシルク」の生産にも成功しています。今後もシルクの可能性を追求し、「シルクオンバレー」プロジェクトで地域に貢献していきたいですね。

やまがシルクを用いたオリジナルブランド
「COKON LAB(ココン・ラボ)」

概要

所在地 〒861-0602 山鹿市鹿北町芋生4041
設立 2014年10月8日
資本金 5,250万円
事業内容 桑の栽培、「天空桑園」運営管理、カイコの飼料作製ほか
代表 代表取締役社長/島田裕太
従業員数 25人(NSP山鹿工場含む)
関連会社 株式会社あつまるホールディングス
ホームページ https://atsumaru-silk.jp

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