株式会社西原商店

持続可能な開発目標に向け連携を

─資源リサイクル事業の現状をお聞かせください。

西原 最近まで世界中の資源ごみのおよそ5割が中国へ集まっていたのですが、処理しきれず放置された資源ごみが原因で深刻な環境汚染が発生しました。中国政府は、一昨年末に古紙や廃プラスチックなどの輸入禁止措置を発表。今年は全ての受け入れをストップします。行き場を失った資源ごみが日本国内でだぶつくようになり、再生資源の原料価格は下落を続け、当社の売り上げも大幅に減少しました。加えて米国と中国のいわゆる「米中貿易戦争」では鉄やアルミの輸出入が問題にされたため、それらの需要低下の懸念が原料価格下落につながり、われわれ日本のリサイクル業界も大きな影響を受けているのが現状です。

代表取締役 西原 茂雄氏

─厳しい状況を打開する策はありますか。

西原 もはや一事業者で打開できる状況ではありません。われわれリサイクル事業者だけでなく、資源ごみを排出するさまざまな業界関係団体と行政が広く連携する必要があります。われわれが協力できる共通のテーマとしては、国連サミットで採択された2016年から30年までの持続可能な開発目標「SDGs」が最適と思われます。SDGsに取り組む一つのチームとなって役割を分担するネットワークの形成を図り、資源循環型社会を実現するための方策を検討できたらと思っています。震災以前から私は廃棄物の処理を県外や海外に頼るのではなく、県内に処理施設を設けるべきだと考えてきました。近年は大規模な自然災害のたびに大量に発生する廃棄物の処理が課題になっていますので、今こそ熊本から震災の教訓を生かした働き掛けができるはずだと思います。また廃プラスチックによる環境汚染も大きな問題です。廃棄物の発生を抑える、製品や部品などを繰り返し使用する、廃棄物を原料として利用する―など、「リデュース、リユース、リサイクル」の精神に立ち返り、将来に向けたビジョンと有効なアプローチを共有する必要があります。

─今後のリサイクルビジネスはどうなりますか。

西原 古紙や鉄などの再生資源の原料価格は大幅な下落が続いています。そのためこれまで同様の有償での引き取りが厳しくなってきました。このままでは今後、顧客が引き取り料を支払う「逆有償化」に転じることもないとは言えません。もう一度「もったいない」の精神を大切に、持続可能な新たなビジネスモデルの構築に向け、関係者の協力を得ながら現状打開のチャレンジを続けていきたいと思います。

本社第二工場での古紙原料化の様子

概要

所在地 〒860-0831 熊本市中央区八王寺町29-8
【電話】096(378)0657
事業内容 製紙原料部門、鉄鋼原料部門、非鉄金属原料部門、一般廃棄物処理業、産業廃棄物処理業、ビルメンテナンス業
設立 昭和49年3月
資本金 1,000万円
役員 代表取締役/西原茂雄
専務取締役/西原 哲
取締役/正木 勇、山見直人
従業員数 約250人
営業所 城南営業所、浜線ECOセンター、福岡久山営業所、八代営業所、鹿児島営業所、田崎営業所
関連会社 (有)西原運輸、(株)ニムコ
ホームページ https://www.nishihara-shoten.com/

熊本日日新聞社

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