熊本県酪農業協同組合連合会

新時代にふさわしい酪農業を開拓

─環太平洋連携協定(TPP)、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)の影響と、そこへの対策はいかがですか。

隈部 乳製品で最大246億円、牛肉で最大786億円の生産減という国の試算が出ました。これに対しては国内対策をしっかりやってもらうべく国に要望していますし、九州生乳販売農業協同組合連合会の会長として乳価交渉をやっていくことで生産者の負託に応えなくてはならないと考えています。幸いにも現状では酪農経営は比較的安定していますので、この状態を維持することが私の務めです。

─2018年度決算で初めて売上高600億円を突破し、19年度も好調です。その要因は。

隈部 600億円を超えたことは本当にうれしいことです。生産面が好調に推移しています。17年から雌牛増産対策事業を進め、生乳生産体制がしっかりしてきました。酪農家の着実な生乳生産に加えて、乳業部門でも好調な実績を残しました。ブームもありましたが、タピオカミルクティーの原料としてロングライフ(LL)牛乳は生産が間に合わないほど販売できました。先人がLL工場を造っていたからこそ今があると感謝しています。加えて、昨年4月から沖縄県でチルド牛乳の販売を本格的に開始しました。今後も県内酪農家の搾った優れた牛乳をしっかりと販売していきたいと考えています。10月には、イタリアで開催された国際チーズコンテスト「ワールドチーズアワード2019」で、阿蘇ミルク牧場の「あそ野チーズ」が金賞を受賞しました。県酪連のチーズについても、新たな販路の開拓を目指します。

代表理事会長 隈部 洋氏

─OPU事業、スマート農業など、酪農業にも新時代にふさわしい技術革新が見られますね。

隈部 OPU-IVF事業では育成の段階で遺伝子を調べ、選抜した優れた受精卵をつくることで生産能力の高い牛を増産しています。酪農家の働き方改革も進んでいます。AI(人工知能)やICT(情報通信技術)を取り入れたスマート農業も活用が進み、すでに県内に搾乳ロボットが50台ほど導入されていますし、遠隔操作のカメラや発信器を使って牛の出産状況の確認や体調管理がスマートフォンで行えるようになりました。酪農業ではITの活用が進んでいます。このほか、阿蘇ミルク牧場で世界の五大品種を集めて優れた牛乳の生産研究を進めるほか、同所を酪農業を目指す人たちのための教育機関としても活用していきたいと考えています。

らくのうマザーズ熊本工場

概要

所在地 〒861-8041 熊本市東区戸島5丁目10-15
【電話】096(388)3511
設立 昭和29年4月3日
会員 23組合
出資金 9億7,391万円
売上高 600億1,100万円
事業内容 購買事業、生乳業務事業、食肉事業、乳業事業、指導事業、阿蘇ミルク牧場事業
役職員数 理事14人、監事3人、職員277人
事業所 マザーズ・ステーション(菊池市・宇城市・あさぎり町)、食肉課(菊池市)、熊本工場、菊池工場、阿蘇ミルク牧場
支店 熊本、福岡
営業所 関東、関西、中四国、北九州、大分、長崎、南九州
協同会社 (株)マザーズファーム、(株)らくのう運輸
ホームページ http://www.mothers.or.jp/

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