日本製紙株式会社八代工場

堅実な安定操業で収益確保目指す

 ―紙パルプ業界を取り巻く現況はいかがですか。

 島田 “紙は文化のバロメーター”であると一昔前は言われていましたが、IT化で伝える用途の紙の需要が加速度的に減り、かなり厳しいですね。半面、段ボールなどのパッケージ用途の紙はネット通販の拡大で伸び、衛生紙も高齢化に伴うヘルスケアの需要増やインバウンド効果で好調です。

 ―日本製紙全社はどのような状況ですか。

 島田 昨年5月発表の第6次中期経営計画で、洋紙の需給バランスを取るため2工場の生産休止を打ち出しました。目的は全社レベルでの生産体制再編により設備をフル稼働させ、生産効率と競争力の向上を図ることです。また、事業構造の転換を加速するため、パッケージ、ヘルスケア、ケミカル、新エネルギーなどの新規分野に集中投資します。最近、廃棄プラスチックによる海洋汚染の問題が浮上し、脱プラスチック志向でレジ袋をやめる、ストローを紙化するなどのニーズが高まり、製紙業界には追い風です。当社は「紙でできることは紙で」というスローガンを掲げ、昨年7月に「紙化ソリューション推進室」を設置しました。この新設部署で紙化のニーズを取りまとめ、解決策を提案していきます。

参与 工場長 島田 和人氏

 ―そのような中、八代工場の現状は。

 島田 主に新聞用紙などを生産していますが、ここ数カ月は原燃料費の高騰に苦しんでいます。石炭、重油、石油由来の製紙用薬品からチップや古紙まで軒並み値上がりし、特に古紙の高騰がコストプッシュ要因となって収益率は低下しました。ただ、傾斜生産で八代工場に紙の生産が集中しているため、操業率はほとんど変わっていません。

 ―今年の抱負をお聞かせください。

 島田 八代工場は今ある設備で利益を確保しなければならないため、コスト削減が最重要課題です。それには安定操業が一番。トラブルが生じて生産ラインが止まれば、多大な損失を被るからです。トラブルをなくして安定操業を維持すれば、コストを削減でき、収益確保につながります。そこで設備保全の子会社と工場の工務部門が合体し、戦略的「保全」と銘打って、工務と操業の融合、受動から能動への変革を全社レベルで取り組んでいます。また八代工場では、常に完全無災害を心掛けていますが、昨年は休業災害を発生させてしまいました。再度、安全教育・指導を強化し、安全はきれいな職場からもたらされるので、5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)にも取り組んでいきます。今年もこれを徹底し、改めて完全無災害の継続を目指します。

八代妙見祭PR看板が設置されたボイラー棟

会社概要

本社所在地 〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台4-6
(御茶ノ水ソラシティ)
【電話】03(6665)1111
八代工場 〒866-8602 八代市十条町1-1
【電話】0965(33)2111
工場設立 大正13年10月15日
事業内容 紙パルプ製造業
資本金 1,048億7,300万円
(平成30年10月1日現在)
従業員数 全社/5,759人(平成30年10月1日現在)
八代工場/368人(平成30年10月1日現在)

熊本日日新聞社

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