株式会社杉本本店

新工場を建設 海外進出も視野に

 ―畜産業界の動向を教えてください。

 杉本 生産者の高齢化や後継者不足などの影響で畜産農家が減り、国産牛や和牛の供給が慢性的に足りていない状況です。環太平洋連携協定(TPP)が発効し、相当量の牛肉が輸入されれば、生産農家の減少傾向が強まる可能性も否定できません。国産牛肉の中でも比較的手頃な価格のテーブルミートは、輸入肉と価格帯や味の面でバッティングするため、少なからず影響が出るのではないでしょうか。

 ―自社ブランド「黒樺牛」の売れ行きは。

 杉本 おかげさまで好調です。「黒樺牛」は、徹底した管理の下、独自のシステムで手間暇かけて健康に育てた最高の国産黒毛和牛です。当社では九州の自社牧場42カ所で約2万頭の「黒樺牛」を飼育し、月間約500頭分の牛肉を出荷しています。質、量共に安定して生産できることが当社の強みですが、それでもやや品薄気味ですので、より多くの方に「黒樺牛」の味を楽しんでいただくために、増産できるよう努めたいですね。

代表取締役 杉本 光士郎氏

 ―具体的な取り組みがあればお聞かせください。

 杉本 本社敷地内に新工場を建設します。今年1月着工し、年内に完成する予定で、処理能力は現在の3倍になります。また、海外での展開にも対応できるよう、当社工場で食品安全管理マネジメントシステム「FSSC22000」を、農場で食品衛生管理に関する国際基準「HACCP(ハサップ)」を取得しました。さらに、食の安全や環境保全認証「JGAP」を今年春までに取得できるよう取り組んでいます。海外では、日本のように牛のいろいろな部位をいろいろな料理方法で食する文化が少ないため、輸出に踏み切るのはまだ早いと考えていますが、東京オリンピックなど大きなイベントを通して外国に日本の食文化が広まっていけば、いつでも海外に進出できるよう準備を整えています。

 ―新会社「S&iファーム」の現況は。

 杉本 私個人と日本ハムグループのインターファームが共同出資して設立した会社が「S&iファーム」です。全国各地で約6000頭ほどの肉牛を飼育していますが、和牛とアンガス牛の交配種をオーストラリアから輸入し、国内で肥育を始めており、求めやすい価格帯の国産牛として今年2月に初出荷します。和牛との交配種なので、肉質が比較的軟らかく、ジューシーで味も良いのが特長です。ぜひ、ご家庭で気軽に味わっていただきたいですね。現在は年間600頭を予定していますが、売れ行きを見ながら今後も増やしていきたいと考えています。

総頭数7000頭を有する矢岳牧場

会社概要

所在地 〒861-4307 宇城市豊野町巣林538番地
【電話】0964(45)2611
事業内容 食肉卸、小売、和牛繁殖、和牛肥育
設立 昭和58年1月(創立 昭和23年1月)
資本金 5,000万円
役員 取締役会長/杉本知彌
代表取締役/杉本光士郎
専務取締役/杉本侑次朗
従業員数 115人(グループ計)
グループ企業 ㈱矢岳牧場、㈱スギモトファーム
ホームページ http://www.sugimotohonten-shop.com/

熊本日日新聞社

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